2006年10月15日 (日)

岩井俊二と「笑い」への執念

最近はラーメンの話ばかりだな。
久しぶりに映画の話を。
「花とアリス」
前から見よう見ようと思ってはいたのだが、
思い立ったときはいつも借りられていて、先日やっと借りられた。
岩井俊二、根強い人気あり。

で、岩井俊二の作品を見ていつも思うことなのだが、
瑞々しさを瑞々しいままに切り取る、という点ににおいては、
とても素晴らしいと思うのであるが、
どうにも気になるのが、彼の「笑い」関するセンスの微妙さ。
微妙というか、欠落してる。
欠落してるんだけど、やりたがる。
そこが、微妙を生んでるわけだな。

「スワロウテイル」における自動販売機のくだりとか、
「リリィ・シュシュ」の風呂場のシーンとか、
ベタでしかもキツい。

で、今回の「笑い」は、手塚に藤子。
なんか、今回は岩井俊二の「笑い」に対する執念のようなものを感じた。
自分だって笑いはとれるんだ、見てろぉぉぉっ!!
ムキになってる。
まぁ、彼にしてはよく頑張った方だと思う。今回のやり方。
でも、このへんが限度だな。
元々欠落してるし。

人間、贅沢なものだと思う。
ある部分に優れた才能を有するものが、
それに満足すればいいのに、
自分にはないものを追い求めようとする。
もちろん、現状に満足しない向上心が優れた作品を生む原動力となる、
それは分かるのだが、それは分かるのだけど。

誰も岩井俊二に「笑い」なんて求めちゃいない。
だけど、彼はなおも「笑い」を追求し続けるだろう。
コメディー映画を作ってしまうかもしれない。
やりかねない。
これは相当キツいと思う。
誰か、諫めてほしい。

ところで、かつて岩井俊二の助監督を務めていて、
彼の弟子ともいえる行定勲の「笑い」も、岩井俊二のそれに似ている。
「世界の中心で、愛をさけぶ」において、それは顕著だ。
元々似てたのか、寄り添ってるうちに似てしまったのか。
よく分からんが、やっぱりキツい。

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2006年9月10日 (日)

「茶の味」

TSUTAYAの半額キャンペーン、
借りてきたのは「茶の味」。
今週仕事が忙しくて、なかなか見る時間作れず。
金曜日の22時過ぎからやっと視聴開始。

うーん。
部分的には楽しめる箇所がないわけではなかったが、
基本、ダレダレ。
のどかな田園の雰囲気を出したいのだろうな、
それは分かるのだけど、
どんな理由であろうと、ダレた映画はいかんぞ。
なんか、小津あたりの路線を曲解しているような。
彼の作品の、ゆるいようでその深淵に潜む緊張感を見過ごしているか。
浅野忠信と中島朋子が会話しているところで、夫婦そろって落ちた。
今までそこそこの数の映画見てきて、
途中で寝た映画も数知れずだが、
夫婦ともに同じ箇所で落ちたのは初めての体験。
そのシーンが終わったところで、またなぜか
夫婦そろって息を吹き返し、顔を見合わせながら、
「今日はここでやめとこうか・・・」

翌日。残りを見る。
前半よりは話に動きがあったので、
眠りはしなかったが、最後までダレダレは変わらず。

この監督、昔からの悪い癖なんだけど、
場面を転換することで、単なる場面転換しかしないことがある。
何だよそれ、禅問答かとお叱りを受けそうだが、
何を言いたいかというと、
場面転換とは、話を前に進めるために行うもので、
一つのシーンにこれだけ時間かけたから、
こっちを出しておこうか、といって換えるもんじゃない。

「PARTY7」でも、
2つの場面が延々とかわりばんこに出てくるだけの箇所があって、
ひたすらイライラしたのを覚えているぞ。

それと、映画にいろいろ盛り込もうとしすぎ。
シンプルな、1個のストーリーに気合い入れろよ。
それができないからオマケに逃げてるんだろうが。
インチキは長くは続かないぜ。

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2006年3月12日 (日)

「時効警察」最終回

私の心の愛人(妻公認)である、麻生久美子が出演の番組

「時効警察」が金曜日で最終回を迎えました。

ラス前のケラリーノ・サンドロヴィッチ脚本は、「破壊力」という点では

作品中No.1ではなかったかと。

キャラの立て方が秀逸でした。

言葉の遊びが、やっぱり演劇方面の人です。またぞろけむたり。

最終回は初回と同じく三木聡脚本で、空気感じてなんボの世界。

ダイイングメッセージのために真犯人に操作が及ばなかった、というスジは

ちょっと無理ありすぎです。

作品中、本当に時効になりそうだった事件は皆無です。

でも、まあいいです。

私自身、実は犯人は○○でした、ほら意外でしょ、なんて話見せられても

だからどうしたと感じるタイプだし、それよりも

非日常の特異な空気で包み込んでくれるような作品が好きなので、

このような企画は歓迎しているし、今後も増えてはほしいと思う。

ただ、特異な空気があればそれでよいというわけではないです。

勘違いした人が、もれなく似て非なる作品を作りがち。

空気を乗せる土台はある程度しっかりしてないとね。

でないと「濱マイク」の二の舞なわけですよ。

あ、結局前回と同じことを書いてしまった。

でも、強く訴えたいです。

ホンを知らない”クリエイター”は消えろ、と。

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2006年3月 4日 (土)

2005年を代表する日本映画とは

■「ALWAYS 三丁目の夕日」が12冠

日本アカデミー賞の結果は、そういうことだそうです。

そういうことで、日本映画の歴史に1ページが加わるのだそうです。

2005年の映画は?と問われれば、この映画になるのだそうです。

えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ?

いや、まだ見てないですし、どうこう言えないんですけどね、本当は。

で、別に悪い印象があるわけでもないんですけどね。

この監督、けっこうよくがんばってると思うし。

でも、なんか違和感を覚えるのは私だけですか?

でも、他にこれという映画もないのか・・・。

ま、いいか。

もともとこの賞に価値など感じていないし。

そういえば昔、このアカデミー賞の進行台本を見たことがある。

当時の司会の武田鉄矢が喋るギャグのたぐいまで

しっかり書いてあって、極寒の世界でした。

今も、見るだけで恥ずかしくなってくる。

基本的に、日本人に向いていないイベントだな。

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2006年2月15日 (水)

ミリオンダラー・ベイビー

ウチの3歳になる娘が、物凄く感動したときっていうのは、

直後にあまりリアクションがないんです。なんか、固まってる。

誕生日に部屋を飾り付けて、ケーキも用意して、ってときに

そんな感じでした。最初は、あまり嬉しくないのかな?と思ったのですが、

その後、何かというと、今度は誰の誕生日?って聞いてくる。

実は、物凄く嬉しかったらしいんです。

ディズニーランドやピューロランドでショーを見た直後も、固まってます。

で、しばらくして、ビデオ借りてきて、と頼みまくる。

結局、物凄く感動したときって、その感動の度合いを

どんなふうに表現したらいいかよく分からなくて、

何もできずに固まってしまうのでしょうね。

さて、『ミリオンダラー・ベイビー』を見ました。

しばらく、固まりました。

どんなに色々な言葉を積み重ねても、私の感動を

上手に表現することはできないな、と思います。

生きることのやるせなさ。

一言、それだけ。

素晴らしい映画だと思いますが、ボクシングの話ということで

『ロッキー』のような方向の感動を期待すると、痛い目に遭います。

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2006年2月12日 (日)

時効警察言いたいことはままあるが

私の心の愛人(妻公認)である麻生久美子が出ているわけですから、

見ないわけにはいかない、「時効警察」。

しかしながら、麻生久美子出演作=駄作の宝庫

という式もなりたつわけで、スタッフを見るにつけ、

これは紙一重な感じだろうな、「濱マイク」の二の舞はごめんだよ

とあれこれ危惧しながら見始めたわけですが、

今のところは見続けられています。微妙な表現ですが。

三木聡作の1・2回目は、ゆるゆるの空気の作り方は

人によっては嵌りすぎるほどに嵌るだろうな、とは思うのですが、

私としては嫌いではないけど1時間それだけはなぁ、

というのが正直なところ。もう少し推理物としての体を為していて欲しい。

真相に至るまでの事実や推測の積み重ね、行きつ戻りつの展開を、

もう少ししっかりやっておいた上で、あの空気を乗せて欲しいかな、と。

でも、それは難しいんでしょうかね。

実際、5回目は今までのなかでは一番しっかりした作りだったのですが、

あの空気はかなり薄め。作者が違うからなのか、

そもそも、推理とゆるゆるの相性がはなから合わないのか。

ちょうどよい落とし所はあると思うんですけどね。

園子温の4回目は、「俺は映像のことを知ってるからこそわざとこう撮るんだぜ」

と言わんばかりの不自然なカメラワーク。非常に不愉快です。

でも、ストーリー自体はまともだったので安心しました。

かつて劇場で見た彼の映画は、私の中の「金返せ!」ランキングでは、

かなり上位に入るクズ映画でした。あまりにクズなので、名前も出しません。

それと比べればカメラワークの不愉快さなど、可愛いもんです。

まぁ、こんなことブツブツ言いながら、見続けてしまうのでしょうね。

あと、麻生久美子のキャピキャピ。微妙です。

他のブログで、あのキャピキャピのことで悪口書かれてたりすると、

哀しくなります。代わりに言い訳したくなります。

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2006年2月 8日 (水)

原作と同じであること

「姑獲鳥の夏」を見ました。

視聴者の興味というのは、「あの京極堂の世界を本当に再現できているのか」

ということだと思いますが、ちゃんと出来ていました。

小説だから可能と思われた箇所(事件が発生したの部屋の描写)なども、

うまくごまかせていましたね。

10分くらいしたところで京極堂の長講釈が始まって、

うわっ、この調子が続くときついなぁ、と思ったのですが、

その後はそれほどうわっ、な感じはなく、見続けることができました。

ストーリーはほぼ忠実に原作をなぞっていると思うのですが、

多重人格の話って、原作に出てきましたっけ?

今さら原作を読み直す気力もなく、疑問は消えぬままです。

さて、見終わった後で妻と話したのですが、

最近の原作モノの映画って、原作の世界に忠実だなぁ、と。

かつて私がシナリオの学校で学んでいた頃は、講師はことごとく、

原作モノでも独自のカラーを入れろ、と言ってたものでして、

実際、ある時期の映画は原作を超越したトンデモ映画オンパレードでした。

今でも記憶に残っているのは、「スローなブギにしてくれ」ですかね。

いきなりオープニングにドバッと赤字のタイトル。

特に「ブギ」の部分は血のほとばしるようなタッチで、

まるでヤクザ映画です。

この時点ですでにかなり遠くのほうへ逝ってしまいました。

中身も、若者よりも山崎努ばかり目立つオヤジ映画でした。

まあ、この映画の場合は、全く別の話として多少は楽しめましたが、

結局は原作のファンからも、その他映画ファンからも総スカンを喰らう

失敗作、というケースが非常に多かったのではないでしょうか。

それが、最近は原作の空気を非常に上手く再現しているように思えます。

ただ、小説はともかく、マンガの原作そっくりという映画はいかがなものか。

「ピンポン」などは、映画として作る意味あったのか、未だに疑問です。

実際に見たい人も多くて客も入ったのだから文句ないんでしょうけど。

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2006年1月31日 (火)

深田恭子とアスリート

昨日のニュースなんですが、未だに破壊力十分です。

■深キョン「赤い衝撃」前代未聞の企画変更

  当初は銃弾で競技生活を絶たれた陸上選手の物語で、
  30年前に山口百恵さんが演じたドラマのリメークだったが、
  深田のイメージが「陸上アスリートに見えない」
  「昭和ではなく現代テイストに合った女優」(ホリプロ)などの理由で断念。

以前、韓国との合作ドラマで、走っている深キョンを見ました。

走っているというより、四股を踏んでいる感じでした。

韓国の地面が心配になりました。

確かに、アスリートは無茶。とはいえ、

  深田は元殺人犯の青年と恋に落ちるフィギュアスケート選手を演じる。

これもかなり無理がありそうです。

氷が割れないか気になって、ドラマに集中できません。

ところで深キョンといえば、数年前の深夜に

篠原ともえとラーメン屋巡りするという妙な企画の番組をやってました。

番組中で、当時は恵比寿にあった(現在は戸越銀座)、

「えにし」のあっさり系しょうゆラーメンを食した深キョン、

ひとこと、「こんなの、全然ラーメンじゃない!」

何を言っているのか分かりません。

これぞラーメン、という姿と味をしたラーメンではないですか。

シノラー唖然、スタッフの苦笑もマイクを通して聞こえてきました。

しかし、その後の深キョンの説明で、朧気ながら彼女の主張が掴めてきました。

ようするに、彼女にとっての「ラーメン」とはこってりこてこてのトンコツ味であり、

あっさりしょうゆ味なんて、そもそも彼女の脳内辞書の

「ラーメン」の項には書かれていないのです。

あんなの、ラーメンじゃないのです。

こってりトンコツが大好き、という人は数多いでしょうが、

あっさりをここまで否定する人も珍しい。九州出身ならともかく。

念のため公式サイトでプロフィール確認。「出身地:東京都」でした。

そんな嗜好ですから、アスリートの似合わない体型になるのも当然です。

今後、どこまで巨大化するのでしょう。目が離せません。

ある意味、彼女の魅力にはまってます。

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2006年1月28日 (土)

芸能ニュース「へぇー」な話

■「Vシネマの帝王」竹内力が離婚

いや、このニュース自体は別にどうってことないんですが、

注目したのは、竹内力に関する解説。

  92年にスタートしたビデオ映画シリーズ
  「難波金融伝ミナミの帝王」はこれまでに56作を数え

ご、56作ですか?

これでもか、と作っていることは知ってましたが、

まさかそこまでやってるとは。知りませんでした。

  竹内はロケで家を空けることが多く、
  すれ違いの生活が夫婦仲に亀裂を生じさせた。

そりゃそうだと思います。56作ですから。



■市川監督&石坂で30年ぶり「犬神家-」

同じ監督と俳優でリメイク。意味が分かりません。

あの映画は、監督・キャストの脂の乗り具合と、

「角川映画」の勢いというものが、奇跡的に咬み合わさった

とても幸運な映画なのです。

お金出す人も、ちゃんと考えてください。

90歳のボケ老人より、若手起用してください。

日本映画の将来のために。

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2006年1月23日 (月)

がんばったごほうびということで

「真夜中の弥次さん喜多さん」を見る。

やりたかったのは分かる。

こんなこと映像にしてみたらどうだろう。

そして、それをやれる機会が訪れた。

そりゃやるよな。

そしたら、思ったほど面白くなかっただけだ。

妻のコメント
「クドカンの脚色って、どれも原作の匂いがちゃんとするところが凄い」

なるほど、確かに凄い。そこは評価する。

そして、我が心の愛人(妻公認)、麻生久美子嬢が登場。

今回はそこそこ美人でした。

彼女、たまに凄いブス。「贅沢な骨」とか。

そこが逆に魅力なのか。何だその逆って。

それはおいといて、この作品というのは

たまにバラエティ番組で「勝者には一夜限りの冠番組」

みたいな企画があって、それで深夜に好き勝手やるという、

そんな感じに似ているような気がします。

ごほうびです。クドカンへの。ヒット連発ご苦労様ってなわけで。

もう満足ですか。

それじゃ、次の仕事よろしく。

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2006年1月 6日 (金)

【サル番長の過去帳】老人と聖

皆さんは、もしかしたらもうご存知かもしれないが、
実は、小島聖という女優は実在しない。
小島聖。それは、年寄りの歪んだ肉欲が産み出した幻。
そして、『完全なる飼育』は、その幻を気が狂うほど堪能できる作品である。

まず時代設定からして謎だ。
「こんなおんぼろアパート、今もあるんだ・・・」
男(竹中直人)の部屋に拉致された聖は言う。さて、これはいつの話なのか?
おんぼろアパートが存在しないと思われている今とは、すなわち現在であろう。
しかし、ちょっと待ってほしい。聖の役どころは、18歳高校生である。
現在の女子高生に、「おんぼろ」という語彙が果たして存在するのだろうか?

このあたりで私の脳は少なからずダメージを受けているのだが、
続いて聖から発せられる言葉に、さらに私は気絶しそうなほどの
強い衝撃を受けることになる。
男「処女だな」
聖「も、もちろん!」

処女かと問われて、もちろんと答える今どきの18歳女子高生。
待ってください。お願いだから待ってください。頭がクラクラしてきました。
現代に生きながら、旧時代の言語・思想を苦もなく使いこなす女、
さすが幻というほかありません。いや、こんな形で逃げておかないと、
もう正気を保てません。

そして、聖という幻の脇を固める人々もまた素晴らしすぎる。
特になんといってもすごいのが"パンパン"の登場である。
念を押すが、これは現代の話である。しかし、しかしだ。
焼け跡でMPを口説いてそうな服装や髪型、
アパートの陰で同じアパートに住む青年に、
やらせてやるから2万よこせと迫るその生き様、
"パンパン"としか言いようがない。百歩譲って"あばずれ"である。

この文章を読んで、筆者は作品の些細な個所の上げ足取りをしているだけではないか、
と思う方もいるかもしれない。しかし、それはまったくの誤解である。
私が主張したいのは、つまりこういうことだ。
新藤兼人という人物の輝かしいキャリアにケチをつけるつもりは更々ない。
が、そのキャリアと、今現在の新藤兼人がどうであるかという話は
全く別問題である。
かつて、私はとある映像製作者セミナーに参加したことがある。
そのときのゲストが、新藤兼人であった。
彼は、創作の際に客観性をいかにして保ったらよいかという出席者の質問に対して、
主観を極めればそれが客観になる、と回答した。
たしかに、ある時期の新藤は主観を極めることで客観に行き着くという
ある種の神技を発揮していた。ただし、これは創作者自身の持つ、
現代を感じ取るアンテナが正しく機能している場合に限られる。
残念ながら、現在の新藤アンテナは故障しているのだ。
いや、故障という表現は遠慮しすぎている。
もう寿命なのだ。オシャカなのだ。なーんにも受信してないのだ。
さて、そのような状態で主観を極めていくと、どのようなことがおきるか。
結果として、作品上に現実とはかけ離れた幻が発生するのである。
もう一回言おう。小島聖という女優は実在しない。
あれは、年寄りの歪んだ肉欲が産み出した幻である。
同様にして、『あつもの』(監督脚本・池端俊策)に登場する小島聖もまた、
幻である。女の幻、おっぱいの幻・・・。

ところで、このような幻が発生したとき、
もしもし新藤さん、これって幻ですよ、と言ってあげる人は
彼のそばには誰もいないのか。
今どきもちろん処女です、と言ってのける女子高生など存在しないことなど、
新藤兼人以外はみんな知ってるだろうに。
言っても聞かないのか。聞かなそうだ。
ダメだこりゃ。

【そして・・・】
その後も、映画・テレビの世界に数々の幻が現れ、消えてゆきました。
小島聖は、『恋の門』で久しぶりにお見かけしました。
変なキャラですが、実在していました。

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2006年1月 4日 (水)

【今さら2005年】『恋の門』

更に言うなら、劇場公開は2004年の映画だが、まあいいや。

ファーストシーンは無駄に力が入りすぎていて、

こりゃ、やっちまったかな?と思っていたら、

その先は程よく脱力されていて、楽しめる映画であった。

が、私が書きたいのはそういう話ではなく、

DVD特典の2つのコメンタリーのことなのだ。

まず、ひとつめ

■松尾スズキ+松尾妻子+斎藤拓 コメンタリー

ここに登場する松尾スズキが、何というか

劇団という狭い世界のヒエラルキーの頂点に立つ者の

専制君主的横柄さが満載なのである。

劇団員+妻という組み合わせが自然とそうさせたのだろうが、

普段、彼のエッセイなどで「私は弱気な人間です」的な

下手に出ている姿勢しか見ていないので、

なんかいやなもん見ちゃったなぁ、という感じ。

ちなみに、この中で松尾は、件のファーストシーンについて

「気合い入れて作った会心の出来」的な自己満足コメントをしている。

気合いが入りすぎて、他のシーンとのバランスが崩れていることに

気付いて欲しい。周りもちゃんと伝えなさいよ。

「松尾天皇」になってしまって、誰も言えないのかなぁ。

劇団のダーク&ディープな一面を堪能できるひととき。

続いて、

■松田龍平+酒井若菜 コメンタリー

これもすごいです。

「あ、これ・・・・」「・・・・」「あ、ふふふ・・・・」「・・・・」「ねぇ・・・・」

もはや、「コメンタリー」ではありません。

エッチした後のカップルの会話です。

裸のままテレビ見てて、相変わらずチチくりあってる感じ。

そのまま二回戦突入です。

そういう趣で聞くと、楽しめます。

というか、そういう趣で聞かないと、腹が立ちます。

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2006年1月 2日 (月)

【サル番長の過去帳】『千と千尋の神隠し』

 3~4年ほど前に、自分のHPを作って
 映画評やちょっとしたエッセイ
 などを載せていたのだが、
 1年もすると更新もしないまま、
 放ったらかしになってしまった。
 だって、面倒なんだもん。
 が、今読むとなかなか面白い文章もあるので、
 ここに再録してみたいと思う。

『もののけ姫』は、失敗作だと思っている。
その最大の理由は、人間が生きていくことと、
自然が己を維持していくこととの間に発生するジレンマに対し、
宮崎駿が真っ正面から向き合ってしまったことによる。
それはまるで、じゃんけんでどの手がいちばん強いか
結論を出そうとするようなものなのだ。
そんなことに精を出してしまったおかげで、物語は破綻を来してしまった。

『千と千尋の神隠し』においても、同様の失敗を犯す危険性は十分にあったはずだ。
すなわち、八百万の神と人間、またその他の物の怪たちの関係をどのように描くか、
ということについてである。今回、その問題は見事に解決されている。
私が思うに、この物語を構想するにあたって、
宮崎駿はおそらくこう考えたんじゃないかと思うのだ。
「俺はロリコンなので女は書けない!」
あ、そうじゃなくて(そうなんだけど)、こう考えたんじゃないか。
「いいかげんでいいじゃん!」

説明すると、こういうことだ。
古来より日本に伝わる八百万の神や物の怪たちと人間との関わりというのは、
かなりいい加減なものである。あるところでは神として崇め祀られていたものが、
別のところでは邪悪な物の怪として伝えられていたり、結局のところ、
人間の勝手解釈によって神々や物の怪も成り立っているのである。
では、この映画も、そんな民間伝承のいい加減なレベルで考えれば

いいのではないか、ということだ。

そのおかげで、今回は『もののけ姫』のような重苦しさのない、
軽妙な作品に仕上がったと思う。しかし、そのいい加減さゆえ、
よーく考えれば所々に疑問が湧いていくるのも事実だ。
神を相手に金儲けしている強欲なババアという存在を神は放っておいていいのか、
とか、そもそも、登場人物(人物じゃないのが殆どだが)たちのヒエラルキーは
どうなってるんだ、とか。
そんなこと考えるのはよしましょう。いいかげんでいいんです、そのへんは。

【そして、その後・・・】
『ハウルの動く城』でも、物語のカギとなっていた「呪い」のことが
結局うやむやにされたり、相変わらず適当なところは適当にやってますが、
変な悩み方しなくなったのはよいことです。
宮崎駿様、これからも、素敵な「娯楽作」を作ってください。
引退とかウソ言わずに。プロレスラーじゃないんだから。

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2005年12月21日 (水)

NHKスタジオパーク

仕事が一息ついたので、有休をとった。

といっても、のんびりと羽を伸ばせるわけでもなく。

子供連れて出かけることになっている。

寒いので室内で楽しめるところ、ということで、

NHKのスタジオパークへ行くことになった。

平日ということもあり、中はガラガラ。

ハイビジョンのお勉強っぽい展示は、ひととおり読みたくて仕方なかったが、

許されるわけもなく。ひたすら子供たちの監視。疲れる。

こちらは小さい子供が二人、特に落ち着きのなさはピカイチだったせいもあり、

ところどころで、スタッフが特別気を遣ってくれた。ちょっと助かった。

それにしても、ウチの子の暴れっぷりは如何したものか。

今どきグズるのに、仰向けになってバタバタする子、うち以外にあまり見ない。

夫婦でこっそりと「昭和かよ!」とツッコミ入れる。

午前中に軽くひとまわりしてから、外で食事。近くのモスバーガー。

久しぶりのモス。やっぱ一番うまいね。

ところで、モスバーガーのソースには、味噌が混ぜてあるらしい。

日本人の口に合うように作られた、バーガーの傑作。

余ったソースはポテトですくって食べます。小市民は、ソース残せません。

ちょちょいと買い物してから、スタジオパークへ再入場。

「スタジオパークからこんにちは」のゲストは、ふかわりょう。無視。

14時半から、教育テレビ「いないいないばぁっ!」の人気キャラ、

「わんわん」のショーなのだ。犬だからわんわん。直球バッチコイ!!

Photoこのわんわん、重そうな着ぐるみなのだが、軽快な動きで踊ったりする。

番組見ていても大変そうなのだが、実物はさらに大きく感じ、さらに大変そう。

番組の挿入歌を熱唱するわんわん、ゆるーいマジックをするわんわん、

そしてわんわんと一緒に記念撮影。わんわんてんこ盛り。

撮影の後は、おなじみ(幼児持つ親にとっては常識)「ぐるぐるどっかーん!体操」で締め。

みんな覚えてます。私もできます。手を抜いてると子供に怒られます。

そんなこんなで子供たちにとっては大満足の一日。大人はぐったり。

NHKいないいないばぁ ぐるぐるどっか~ん! NHKいないいないばぁ ぐるぐるどっか~ん!

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2005年12月19日 (月)

日本映画4本立ての結論

TSUTAYAが誕生月記念期間限定半額セール!だったので、
日本映画4本借りてたのだが、やっと見終わった。
ちなみに、22日が誕生日。
昔からクリスマスと一緒にされてた。
自分は双子なのでふたりで一緒だった、
というのもあってかなり損した気分。
まあ、それはいい。映画の話だ。
では、見た順に感想など。

血と骨 通常版 DVD 血と骨 通常版

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1.『血と骨』
散漫なつくりだな、という印象。
ビートたけしが必ずしも中心ではなく、
その息子の視点から描いていて、にもかかわらず
息子の印象が薄いというのが、実は問題か。
はじめは鈴木京香が軸かと思ってたら、
途中から影が薄くなってしまうし。
そんな感じになるのは、一代記ものの宿命か。

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2.『約三十の嘘』
詐欺師の騙し合いの話としては、最後に情が入りすぎていて、
驚きの展開というのがなかったのがちょっと残念。
情に向かっても最後は詐欺師らしく締めてなんボでしょう。
とはいうものの、けっこう楽しめる映画。
何より、会話のテンポがいい。

この監督(大谷健太郎)のデビュー作見てるけど、
そのときも会話のやりとりは面白かったんだけど
カット割りはド素人で、惜しいなぁと思ってたのだが、
今回の作品見たら会話のキレ味はそのままに
映像の部分も洗練されていて、なるほど
『NANA』に抜擢もされるわな、と感じた次第。

監督より気になるのは、共同脚本の渡辺あや。
この人、『ジョゼと虎と魚たち』で知ったのだが、
この『ジョゼ~』がデビュー作というので驚いたのだ。
普通、デビュー作といえば、所々破綻が見えるけど、
勢いはあるのでまぁいいか、という感じなのだが、
実にしっかりとした作りの脚本なのだ。
今、個人的にいちばん気になる脚本家。嫉妬あり。

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3.『青い車』
この映画を「クソ」と言ったら、ウンコさんに悪い。
「クズ」と言ったら、ゴミさんに申し訳ない。
お願いだ。この映画に評価すべき点があると思った人がいたなら、
どこだか私に教えてほしい。
映像素人、脚本ド素人、俳優無駄遣い。
例えば、ひとつのシーンには必ず「入り」と「出」があって、
どの場所、どの人、どのセリフ、どのアングルで始まるか終わるかによって、
そのシーン前後に本当はあるんだけど映画には登場しない時間を
見る人にイメージさせることができるわけだが、
その「入り」と「出」が、この映画ではもう無茶苦茶なのだ。
意図してやってるのか?と勘ぐりたくなるくらい。
PFF出身者には、こういう基礎知らないで
映画作ってしまう人いるんだよねぇ。困ったもんだ。
別に、助監督経験しないとダメとか思ってないが、
少なくとも、最低限の基礎は身につけてくれ。
登場人物に「海に連れてって」と言わせた直後に、
海に向かうシーン入れるなよ。がっかりだ。

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4.『誰も知らない』
意外と見れた。という言い方は失礼か。
淡々とした中にも、緩急・静動のメリハリがあったように思う。
これには、主人公である子供の存在が大きいのではないか。
淡々と撮るのが好きな監督でも(『幻の光』は淡々すぎて
死ぬほど退屈)、子供が何かすれば、自然と動きが出る。
素材選びの勝利だな。
子役がとてもよかった。自然に演技させる演出は買う。

結論。
4本映画見るなら、派手なのを1本くらい入れよう。
つらい。

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